交渉同席・ボディガードについて
先日ご依頼いただいた案件は、30年以上交際していた相手に700万円ほど貸しており、最近その相手がお亡くなりになったというお話でした。
ある日 相手の携帯に電話を入れると、相手の〝奥さん〟を名乗る女性が出て、もう12年も前から結婚してる事、その男性が亡くなった事、旦那の借金は私には関係がないという事を伝えられたそうです。
しかし、どうも都内の土地などを相続した可能性が高く、そうなると「旦那の借金は私には関係ない」というわけにはいきません。
ご存知かと思いますが「正の遺産」(プラスの財産)を相続するからには「負の遺産」(借金などマイナスの財産)も相続する義務が生じます。
ですので通常は、被相続人が亡くなると相続人は「正の遺産と負の遺産を天秤にかけて」正の遺産を相続するかどうかの判断をする事になります。
本件は既に正の遺産を相続済のようなので、負の遺産を間逃れる事は難しいと思います。
しかし「20数年前の住所は知っている」「奥さんの名前も分からない」という状態からのスタートでした。
とりあえず 私がその住所へ行ってみると、もう既にその建物自体がなく、近所への聞き込みで「その跡地に大家さんが新しくマンションを建てた」事が判明しました。
そこで今後は
⚫︎旧住所から追って奥さんの氏名 現住所を割る
⚫︎奥さんが相続した財産の有無を確認する
⚫︎奥さんに対して請求する
という流れになると思います。
遺産を相続した事実の確認さえ取れれば、問題なく債権を回収できると思います。
お金を貸している相手が死亡して、被相続人が相続する遺産がない場合は、実質的に貸したお金の回収は諦めざるを得なくなります。
しかし このように債権を回収のできる場合もありますので、相手によっては「財産調査」(資産調査、遺産調査)をしてみる価値は充分あると思います。