交渉同席などについて

「不法原因給付」

金銭貸借に絡むトラブルでよくあるのが、貸した相手の返済が長期に渡って遅れたりすると 怒りに任せて相手に法外な利息を要求するパターンです。

 

酷い時は100万円の元金に対して300万も400万も請求するようなケースもあります。
借りている方は立場的に同意をせざるを得なく 言われたままの金額で借用書を書いたりもするのですが、それで「しめしめ」と思ったら大間違えです。

 

「不法原因給付」と言って、不法な原因、公序良俗に反する原因、不道徳な原因による給付は「不当利得」としてその返還を請求できる事になっています。

 

このように明らかに出資法(個人の場合は年109.5%)に大きく違反しているものもそうですが、本来であれば「違法賭博による借金」「愛人(妾)契約による金銭の授受」なども不法原因給付に当たります。
しかし、これらの事案への返還請求を認めてしまうと 不法な行為をした給付者側を法律によって「助ける」事になるので,こういう場合は認められません。
従って「利得者 (受益者) の側だけに不法の原因がある場合のみ」 返還請求が認められます。

 

例えば 100万円貸して300万請求し、既に80万円返してもらっているとします。
この場合 残りの220万円はおろか、残元金の20万円も請求する事はできず、逆に80万円の返還を請求される事になるのです。
平成20年にこの最高裁判決が出た時は さすがに驚きましたが、我が国はそういう決まりになったという事です。

 

 

因みに、よく事後に利息や遅延損害金を請求する人がいますが、利息も遅延損害金も貸付時に約束を取り交わし、借用書などの書面に明記しなければなりません。
事前に約束を取り交わしていなかった場合は 遅延損害金は一切請求できず、利息も法定金利の年5%までしか請求できません。

 

尚、この度の約120年ぶりの民法大改正により、来年の令和2年4月1日より 法定金利は5%から3%に引き下げられます。
銀行の貯金金利が0.001%とかのこの超低金利時代に、法定金利だけ年5%なのはおかしいという判断のようです。

 

 

債権者の立場を悪用してあまり欲をかくと、元金まで戻って来ないような事になりますので、充分注意をして下さい。

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