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「DV防止法に基づく〝保護命令〟」

先日「話し合いへの立ち会い」をさせていただいた 元夫の元妻に対するDV・ストーカー案件ですが、その後突如として元夫から明確な「殺人予告」がありました(もともと「殺す」というニュアンスの事は言われていました)

 

相手の言い分は
「俺から子供を取り上げた、自分勝手極まりないお前を絶対に許さない」
というものですが、ロクに働きもせず、DVの限りを尽くし、「離婚の条件」として彼女の親から500万以上取り、その上 結婚していた当時の借金を全て彼女に背負わせている身でよく言えると思います。

 

このように
「全てを相手のせいにして、自分の行為を正当化する」
これがDV加害者の最大の特徴でもあります。

 

 

今後の事について互いに条件を出し合って合意書を作るという事で話が進んでいたのですが、いきなりの殺人予告だったのでもうそれどころではありません。
のんびり構えているご依頼様のお尻を叩いて、警察と女性相談センター(配偶者暴力相談支援センター)に相談へ行って実績を作ってもらい、連休明けに DV防止法に基づく「保護命令」の申請を出す事になりました。

 

申請後 申立人と被申立人は裁判所へ呼び出され、双方の主張を聞きた上で裁判官が決定するのですが、実は決定が降りるまでのこの間が最も危険なのです。
保護命令を申立てられた事を逆恨みした加害者が何をするか分からず、現在の双方の家も近いので、非常に危険な状況になる事が予想されます。
なので 少なくとも決定が降りるまでの間は シェルターに入っていただくよう、ただ今ご依頼様を説得させていただいているところです。

 

 

■「保護命令」とは

 

配偶者や同棲相手から暴力を受けて身体や生命に危険が及んでいる場合において、本人や子どもの安全を守るため、裁判所が相手に対して出してくれる命令です。

 

保護命令を出してもらえたら、相手は被害者やその子どもに物理的に近づいたり、嫌がらせのメールや電話をしたり、子どもをさらったりすることができなくなります。

 

保護命令には、以下の5つの種類があります。

 

(1)接近禁止命令

本人の身辺につきまとう
本人の住居や勤務先周辺をはいかいする
物理的に身の回りに来られたり暴力を振るわれたりするのを避けるための命令で、期間は発令から6か月間です。

 

(2)退去命令

相手を申立人の家から退去させる命令で、家の周辺をうろつく行為も禁止されます。
期間は2か月間で、被害者が引越をするための猶予を持たせるための保護命令です。

 

(3)電話等禁止命令

・面会の要求
・行動の監視の告知
・著しく粗野、乱暴な言動をする事
・無言電話、緊急時以外の電話、FAX、メールなど
・緊急時以外の午後10時から午前6時までの電話、FAX、メールなど
・汚物や動物の死体の送付などの嫌がらせ
・名誉を毀損する行為
・性的羞しゆう恥心を害する行為

 

(4)子への接近禁止命令

子どもをさらわれたり接近されたりすることを防ぐには、子への接近禁止命令も合わせて申し立てる必要があります。
ただし 子どもが15歳以上の場合には、子どもの同意が必要です。

 

(5)親族等への接近禁止命令

自分だけではなく親などの親族に危害を加えられるおそれがある場合には、親族等の身辺をうろついたり住居・勤務先付近をはいかいしたりすることも禁止してもらえます。

 

加害者がこれらの保護命令に違反すると、逮捕されて刑事罰も課されます。

 

 

このように実行性、有用性のある保護命令ですが、最近では離婚条件を自らに有利なものとする事を目的に事実をデッチ上げ、嘘をついて保護命令の申立がなされるケースが増えてきました。

 

本当の被害者の方にとっては迷惑この上ない話で、私も時折イライラさせられる事があるのですが、依然として保護命令が非常に認められにくいのは、このような事が背景としてあるのだと思います。

 

加えて 相手方の行動を法で縛って制限するわけですから、人権の問題もあり、裁判所も慎重にならざるを得ないようです。

 

本件加害者は私も対面したのでよく知っていますが、かなり危険度が高いので、迅速に認められる事を願うばかりです。

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