カウンセリング
本件は「遺産相続」に絡んだ〝相続問題〟と言っていいと思いますが、今の日本の高齢化社会を象徴している問題であるとも思います。
A:90歳を過ぎているお母様
B:Aさんの長女(本件ご依頼者様)
C:Aさんの次女(既に死亡)
D:Cさんの夫
E:CさんDさんの子供(Aさんの孫)
当初AさんとBさんはあまり仲がよくなかった上に 家が遠いいため、Aさんは仲がよく信頼をしていて 家も近いCさん夫婦に頼っていました。
その後
〝自分が病気になった時や、入院をした時の治療費などのために〟
Dさん名義の複数の銀行口座や貸金庫などに
⚫︎合計1,500万円〜3,000万円の現金
⚫︎家(ご依頼者様の実家)の権利書
などを預けていました。
その後、Cさんが病気で亡くなってしまったので、血の繋がっていないDさんに一任したままなのはよくないと思い、それらのものの返還を求めようとしたのですが、Aさんの痴呆が進んでしまっていて、預けている金額が思い出せず
(ですので〝1,500万円〜3,000万円〟なわけです)
それをいい事に、DさんもEさんも しらばっくれているというお話でした。
現時点で それらのものが
〝貸与(預けている)であるという明確な証拠がない〟
事だけでもかなり厄介なのですが、その上
〝預けている金額が分からない〟
のであれば、まるっきり請求のしようがないので、相当厄介な問題だと言えます。
※通常は、諦めて 泣き寝入りせざるを得ないような内容です。
かなり複雑な〝経緯〟がある上に、かなり細かく複雑な〝預け方〟をしているのですが、ご依頼者様ご自身も 内容をキチンと把握していないようでしたので、一度お母様ご本人も交えて 直接お話をお伺いする必要があると判断して、昨日 某県のご依頼者様のご実家に行って参りました。
ご依頼者様、お母様、お母様のご姉妹(ご依頼者様の叔母)のお三方と、じっくりお話をお伺いさせていただいた上で じっくりお話をさせていただきました。
まず お母様ご自身は、事前にお伺いしていたよりも全然シッカリとされておられて〝ボケている〟という印象はほとんどありませんでした。
(ご依頼者様曰く、日によって調子のいい日と悪い日があって、昨日は調子のいい日だというお話でしたが)
そんな事よりも、お母様と直接お話しさせていただいてよく分かったのが
〝本件の本質〟
〝本件の一番の問題点〟
です。
お母様にとっては、Dはともかく Eは可愛い可愛い〝お孫さん〟なわけであり、DなりEが週に一、二度お母様の様子を見に来る
(実際は〝タカリに来る〟のですが)
事も、一人暮らしで寂しいお母様にとっては、とても楽しみな事であったりするわけです。
お母様が とても小さい声でボソッと
「孫もお金目当てだと思います」
と言ったのを聞き逃しませんでしたが、どれだけ薄汚く ズル賢いDと〝ニコイチ〟だといっても、お母様にとって〝Eを失う〟という事だけは 何よりも絶対に避けたい事なわけです。
要するに、孫を人質に取られる(孫本人も加担して)形になっているので、お母様としては
「仲違いするわけにはいかない」
↓
「強く言えない」
↓
「相手方の言いなりになるしかない」
という状況になっており、お母様ご自身もハッキリと
「お金や 土地の権利書は返してもらいたいけど、ケンカをするような事はしたくない」
と仰っておられました。
高齢化社会の問題、老人の孤独死の問題などにも繋がると思いますが、お話をお伺いしている中で、今の日本を象徴しているとても難しい問題だと感じました。
加えて、今現在もBさんとAさんは〝お互いを信頼し合っている〟という感じには程遠く
(話し合いの最中も 何度かモメておられました)
〝二人の思惑〟や〝二人の関係性〟なども複雑に絡んで参ります。
『預けているお金と 土地の権利書を返してもらう』
という思惑は一致しているものの、厳密に言えば「ご依頼者様の利」と「お母様の利」は異なってくるのですが、私の〝依頼者〟はあくまでもBさんなので、私は「Bさんの利」を最優先しなければなりません。
しかし、話し合いの最中 他の二人が気付かない瞬間的な合間で、何度もお母様と目が合ったのですが、何だか お母様は全てを分かっておられるような気がしましたし、何かを私に訴えているように思えて仕方がありませんでした。
途中でご依頼者様が
「お母さんの事を一番に考えている」
と仰ったので、そのタイミングで 依頼者様に
「もしかしたら、それがイコール〝Bさんの利益〟にはならないかもしれませんが〝お母様の利益〟を第一に考えさせていただいても宜しいでしょうか?」
と確認をしたところ、快く了承していただきました。
そこで
「とりあえず、なるべく友好的かつ平和的な形で 皆さんで話し合いの場を持ち、そこで
〝預けている金額の確定〟
と
〝何を返してもらって、何をそのままあげるのか〟
を決めましょう」
というご提案をさせていただいたのですが、その時初めて お母様が満面の笑みを見せてくれました。
お母様ご自身が 預けている金額を全く覚えていない上に、DとEはかなり狡猾なので
(かと言って、一切合切全てを否定しているわけではないので、充分ある程度の成果を得られる可能性はあります)
この〝預けている金額の確定〟は、かなり困難を極めるものになると思いますが、上手に〝カマかけ〟なども行いつつ、戦略的に行うしかありません。
『このまましらばっくれて、お母様がお亡くなりになるのを待ち、そのまま全てを自分たちのものにしようとしているDと Eを、どのように話し合いの場に引っ張り出すか?』
という部分も問題なのですが、私にも〝考え〟があるので、恐らく 近所中にその機会を設ける事ができると思います。
「若い頃の小林旭に似てますね?」とか言っていただきながら 意外と和やかな雰囲気の中で、大先輩にあたる女性の方々三人に囲まれて、長々とお話をお伺いし 長々と演説を打たせていただきました。
高齢の女性ばかりな故に、いつもそのDにはベロンベロンにナメられてしまって 全く話にならないという事で
「話し合いの場に岩田さんがいてくれるのは、本当に助かります!」
と、まだ何もなし得ていない段階で モロ手を上げて喜んでいただいておりますので、是が非でも何とかしなければなりません。
いづれにせよ その時の〝6人での話し合い〟で全てが決すると思いますが、とりあえず その二人を〝話し合いの場に引っ張り出す〟事に成功させたいと思います。
ちょうど明日、本件と同じ県内で
「全く別件の〝交渉同席〟」
がありますので、帰りにその〝現場〟の下見をして帰りました。