カウンセリング
この手のご相談は 大概は奥さんからのものなのですが、奥さんが精神を患っている状態で、旦那さんがDVを行っているパターン、不貞行為(浮気・不倫)を行っているパターン、DVと不貞の両方を行っているパターンのご相談が非常に多くなっております。
よく「精神を病んだのは夫のせいなので、DV慰謝料(不貞慰謝料)とは別に、病気に対する慰謝料も請求したい」と仰る方がおられますが、その因果関係を法的に立証する事のハードルは 意外なほど高いと思っておいた方がいいと思います。
「損害賠償」の中の一つの種類として「慰謝料」があるのですが、そもそも「慰謝料」とは〝精神的損害に対する損害賠償金〟であり、所有物の破損等の財産的損害に対するもの以外の「肉体的苦痛」「悲嘆」「恥辱」等の精神的苦痛に対するものです。
それらの行為によって精神を患った事が認められれば、〝それとは別に〟という形ではなく、本来のDV慰謝料(不貞慰謝料)の相場を超える慰謝料が認められる可能性は充分あると思います。
うつ(鬱)などの後遺症のために働けないような場合には、思うように収入が得られなくなりますので、その損害を「逸失利益」として賠償請求する事も可能です。
入院するほどの怪我を負わされても精神を患わない人もいれば、〝バカ〟と言われただけで精神を患う人がいるのも事実です。
しかし それくらいの事で慰謝料を認めていたらキリがないので、結局のところ〝受けたDVの程度〟が 最終的な判断材料になるものと思います。
その精神疾患が元からのものなのか 旦那さんの〝行為〟によるものなのかの判断と、それを法的に立証できるのか 慰謝料の増額ができるのかの判断と合わせて 非常にシビアで難しい問題になってきます。
DVであれ不貞行為であれ 旦那様が「不法行為を犯している」事は間違いがなく、その精神疾患が元からのものであったとしても DV行為や不貞行為を正当化する事はできません。
しかし 日々そのような方のご相談を直接伺っている私としては、正直
「精神疾患は元からのものだ。そのような相手と 四六時中一緒にいる方の身にもなってくれ。」
と言われると、全く気持ちが分からないわけではありません。
(中には 本当に酷い方もおられるので)
このようなケースでは〝もう夫婦関係が完全に壊れてしまっている〟状況である事が多いので、なかなか〝完全修復〟は困難なものとなりますが、中には酷い事をされているにも関わらず「絶対に別れたくない」と仰る相談者の方もおられます。
直接的暴力のあるDVや、不貞行為の証拠があるのであれば、相手は「有責配偶者」となりますので、相手の意思で離婚をする事はできません。
(逆に 被害者の離婚の申し出を拒否する事もできません)
ここまでの状況になっている場合は、被害者の選択肢としては実質的に
⚫︎いかに有利な条件で離婚するか?
⚫︎いかに〝相手の都合よく離婚する〟事を阻止するか?
という事になってくると思います。
受けている〝被害〟も様々ですし、被害者の〝望んでいる事〟も様々です。
その被害の内容や程度によって「できる事とできない事」がありますが、できるのであれば「何をどこまでできるのか?」など、ご依頼者様のご意見を尊重しつつ 適切な方法で対処していく事になります。
このような問題でお困りの方は どうぞお気軽にご相談下さい。
※ ご自分の思い通りにならないからといって、相談している相手にも平気で噛みつくような方からのご相談は ご遠慮いただいております。