カウンセリング
2ヶ月以上前に、交通事故からもう2年3ヶ月が経とうとしているのに いつまでも示談が成立しない案件に対して、私自らが事故相手のところに「示談交渉」に行って参りました。
本来であれば「交渉方法などを具体的にご教示する」事までしかやらせていただけないのですが、本件は私の身内の代理として 私が個人的に全くの無報酬でやらせていただくものでしたので、特別なものとなります。
お互いに任意保険に入っていたのですが、警察の作成した「物件事故報告書」を元に 判例に基づいて「過失割合」を算出しているのに、事故相手は2年以上それを認めようとしません。
まるで子供のような〝分からず屋〟なので、双方の保険屋さんも もう完全にお手上げとなっており、ほぼ〝完全放置〟の状態でした。
(自分側の保険屋さんの話も一切聞かないそうで、その保険屋さんも呆れ返っていました)
客観的な状況証拠が揃っているのに、何とかの一つ覚えのように「納得いかない」の一点張りです。
世の中にはこのように「事実」を直視しようとせず、根拠のない感情論だけで物を言い、何を言っても自分の主張を曲げない頑固者がいるものです。
「かくかくしかじかの理由で、示談に応じなければ ○○さんが損をするだけなんですよ。
私が言ってる事が信用できないのであれば、是非ご自分で弁護士に相談して聞いてみて下さい。」
とお伝えしても、2年3ヶ月も前の事故なのに
「今はコロナだから弁護士に相談に行けない」
と、しょーもない事を言い出す始末です。
仕方がないので〝効果的な文言〟と共に〝最後通告〟を伝えると
「回答を3ヶ月待ってくれ」
と言われましたが、もう既に2年3ヶ月も待っているので
「それでは 2ヶ月間だけ待ちます。
2ヶ月待っても返答がない場合は〝動き〟ますからね。」
と伝えておきました。
その流れで 先日相手方から「全面的に非を認め 全て受け入れる」旨連絡があり、約2年半ぶりに無事 示談成立となりました。
交通事故は「過失割合」(責任割合)がほぼ全てを決めると言っても過言ではありません。
警察はあくまでも「物件事故報告書」を作成するだけで、双方の保険屋が(顧客の意見も聞きつつ)その事故報告書を元に〝判例〟に基づいて〝過失割合〟を決める事になります。
しかし この世の中に〝全く同じ状況の事故〟というものはないわけであり、判例はあくまでも〝参考〟であるという面もあるので、そこに〝つけ入る隙〟があるとも言えるわけです。
なのでまずは
「〝過失割合〟を いかに自分に有利な形にできるか?」
という事が一番の問題になってきます。
本件の 判例に基づく過失割合は「30:70」だったのですが、あまりにも相手が頑固だったので こちらサイドが「40:60」に譲歩してあげていました。
それに対して「絶対に納得いかない。70:30だ。」と言い張っていたのに、何と「30:70を受け入れる」というものでした。
私の〝直接交渉〝が効いた事は明らかであるとしても、最後の最後までワケの分からない方でしたが、まあ 結果としては最高の形になったので メデタシメデタシという事です。
「交通事故の示談の専門家」である双方の保険屋さんが 2年3ヶ月説く事ができなかった相手を、私がたったの15分かそこらで説き伏せた事になりますが、全ての交渉事で重要なのが〝何を伝えるか〟よりもむしろ〝その伝え方〟です。
今回は〝身内〟に対する〝無報酬〟での対応だったので「直接交渉」ができたのですが、業務上は法的に不可能となります。
弊社がやらせていただけるのは あくまでも「対処法ご教示」となりますが、問題はその〝交渉内容〟となります。
全ての「トラブル交渉」に共通して言える事ですが、相手の主張を 丹念に一つづつ潰していき、法的根拠を示しつつ 理詰めで こちらの主張を飲まざるを得ない状況に持っていく事が重要です。
よって 私が直接交渉するのも、弊社でご教示させていただきながら ご依頼者様に交渉していただくのも、結果として そう大きくは変わらないのではないかと思います。
相手とのやり取りがメールやLINEであれば尚更ですが、相手が事故の当事者でも保険屋さんでも 対応させていただきます。