ご近所トラブルについて

ご近所トラブルとは

近隣との接点が何かと希薄になっている昨今ですが、だからこそちょっとしたきっかけで「ご近所トラブル」(近隣トラブル、隣人トラブル)に巻き込まれることは珍しくありません。
時には嫌がらせを受けたり、事件や裁判沙汰になる事もあります。
弁護士や保険会社などへの相談窓口案内サービスを行っている、日本法規情報株式会社が行った「ご近所トラブルに関する意識調査」の調査結果によると、約4割の人が「ご近所トラブルに遭ったことがある」と回答しています。

 

また「ご近所トラブルの内容」についてのアンケート調査の結果、
1.「騒音」と回答した人が最も多く31%でした。
2.「ペットの排泄物や鳴き声」と回答した人が15%
3.「違法駐車」と回答した人が13%
4.「ゴミの不法投棄」と回答した人が10%
5.「境界線の問題」と回答した人が9%
6.「理由が分からないが難癖をつける人がいる」と回答した人が8%
7.「タバコの煙・ポイ捨て」と回答した人が7%
8.「車体への傷」と回答した人が7%
という結果となりました。

 

また、国土交通省の「平成25年度マンション総合調査」によると、マンションで起きたトラブルは「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が 55.9%と最も多く、次いで「建物の不具合に係るもの」が 31.0%、「費用負担に係るもの」が 28.0%となっています。
一方、「特にトラブルは発生していない」が 26.9%であり、単棟型と団地型を比較すると、団地型は、単棟型に比べ各トラブルの発生率が高くなっています。
「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」の具体的内容については、「生活音」が 34.3%と最も多く、次いで「違法駐車」が 24.7%、「ペット飼育」が 22.7%となっています。
「建物の不具合に係るもの」のトラブルの具体的内容については、「水漏れ」が 18.8%と最も多く、次いで「雨漏り」が 12.2%となっており、「費用負担に係るもの」のトラブルの具体的内容は、「管理費等の滞納」が 27.2%となっています。

 

□生活音・騒音

トラブルに発展する生活音には、ドアを閉める音やトイレの水を流す音、他には携帯電話を床に置いていたときの着信バイブレーションが鳴る音などがあります。
また、子供の走る音や赤ちゃんの泣き声なども、建物の構造によってはトラブルの原因になります。
一方騒音には、大音量での音楽の再生や楽器の演奏、必要以上に大きな声での会話や怒鳴り声での喧嘩などがあります。
原因を作っている方が自分が思っている以上に音が大きく響いている場合もあるため、解決することが難しいトラブルの一つです。

 

□ペットの飼育・マナー

ペットの飼育やマナーがトラブルの原因となるのは、大概はペット可のマンションの場合です。
動物の鳴き声やニオイ、糞尿の始末など様々な原因があります。
各マンションが住民の快適な生活を守るために定めている「ペット飼育規約」を守らない飼い主がいることも事実で、それがトラブルの原因になります。
ペットを飼う人と飼わない人の間のペットへの認識の差もあるため、トラブルになりやすいという側面もあります。

 

□タバコのマナー

吸う人と吸わない人での喫煙マナーについての認識の差が、タバコに関するトラブルです。
ベランダなどで喫煙していても、タバコの煙が上の階や隣の部屋の窓から室内に入り、苦情の原因になる事も多いです。
また喫煙者のマナーが悪く、ポイ捨てや共用部分での喫煙がトラブルの原因になるケースも非常に多いです。

 

□ゴミの出し方・分別方法

別の地域や自治体から引っ越して来た人が、引っ越し先のゴミの出し方や分別方法を守らずにトラブルになる場合があります。
まだこれなら出し方や分別方法を知れば解決できますが、「ゴミ出しの時間を守らない」「ゴミ袋の口がきちんと閉められていない」といった問題の解決は容易ではありません。
またゴミにはとても多くのプライバシーが含まれています。
そのため、ゴミを通じたプライバシーの侵害が原因でトラブルが起きる事もあるのです。

 

□玄関前、廊下など共用部分の使い方

「放火の危険のあるダンボールや新聞紙などの可燃物を、廊下に放置する」「駐輪場があるにもかかわらず、廊下や玄関前などの共用スペースに自転車を停める」など、共用部分の使い方もトラブルの原因になります。
各マンションにはそれぞれルールがあるのに、共用部分を巡るトラブルになる人にはルールが通用しない人も少なくありません。

 

□車、駐車場でのマナー

「早朝や夜間にエンジンの音がうるさい」「住人の知人が、勝手に自分の駐車スペースに車を停めていた」など車や駐車場でトラブルが起きるケースも少なくありません。
他の騒音でも同じですが、どれくらいのエンジン音がうるさいかというのは個人によって変わります。
したがって今まで問題にならなかったものが、新しい住人の価値観で問題視されるという可能性もあるのです。

 

□挨拶

挨拶をする、しないも想像以上に多いトラブルの原因です。
なんと2016年には、関西地方のあるマンションで、敷地内の住人の挨拶禁止がルール化されたところがあります。
このようなルールができた背景には、小学生の親から「知らない人に挨拶されたら逃げるよう教えている。マンションで挨拶するのはやめて欲しい」という要望があったためです。
この提案に対して年配層の住人からも「挨拶しても返事がなく、気分が悪い」という意見が出て、挨拶禁止のルール化に至りました。
このニュースに対しては賛否両論あり、マンションでの挨拶における問題の重要性を物語っています。
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