嫌がらせ・ハラスメントについて
これは「お金の貸し借り」「損害賠償・慰謝料」「売掛金」「詐欺被害金」「未払いの養育費や婚姻費用」など、全ての〝債権〟に共通して言える事です。
ご相談をいただく このような〝金銭トラブル〟の中で
「一括での返済(支払い)の約束をしているから、どうしても一括で返して(支払って)もらいたい」
というものが少なくありません。
しかし 最初にどれだけ一括返済の約束をしていようとも、相手がその約束を履行できない時点で
〝一括での返済は諦めた方がいい〟
というケースが多くなります。
相手が
「その金額を一括返す(払う)のは無理だ」
と言っている以上、もう それ以上どうしようもならないのが現実だからです。
〝一括返済〟を求めて続けている限り、相手はずっと〝一銭も返さない〟という状況が続く事になると思います。
加えて 相手にとって不可能(その気がない)である〝一括返済〟を求め続けられているうちは、相手は 一向に返済意欲が湧かないという事にもなりますし〝都合のいい言い訳〟を与えている事にもなります。
月々の分割払いが不可能であるという事は、まずあり得ませんからね。
債務者というものは、時間が経てば経つほど 返済意欲が低下していくものです。
そのような状況を半年も一年も続けている方がおられますが、そんな事をしているのであれば、少しづつでも返済を開始させた方がいいように思います。
もっと言えば、そのままズルズルと引っ張られて 結局一銭も返してもらえないよりは、分割ででも返してもらった方が よっぽどマシだという事になると思います。
因みに
「相手のSNSの投稿を見ていると、随分とお金を使って遊んでいるようなので、一括で返せないわけがない」
というような主張をする方も少なくありませんが、相手の財布を奪い取って中身を確認するわけにもいかないので、実際に相手がいくらお金を持っているのか証明できない限り、それを言っても仕方がありません。
(心情は理解できますが)
銀行は 基本的に違法行為(犯罪)に絡むものに対してしか〝口座情報の開示〟には応じてくれませんし、所持している(家にある)〝現金〟に関しては 実質的に把握する事は不可能です。
更に言えば、何をどうやっても返済(支払い)に応じない相手に対しては、実質的に 土地建物などの不動産か、給与を差し押さえるしかないという事になります。
私自身 長年金融機関に身を置いていて〝借りたお金を当たり前のように返さない人〟を散々見て来ましたので、お気持ちは充分理解できますが、何だかんだ言っても 債務者の方が立場が強いというのが現実です。
だからと言って〝借りたお金を返さない〟という事は 違法行為にも不法行為にもあたらないので、お金を返さない相手に違法行為を働いては 元も子もなくなります。
そのような相手にお金を貸したのは、ご自身の判断ミス以外の何ものでもありません。
〝一括返済〟に固執するあまり、または〝月々の返済額〟を欲張るあまり、返してもらえるものも返してもらえないような状況を見てきましたが、そこは冷静に 頭を切り替えて対応するべきだと思います。
極端な話〝月々1万円の分割払い〟が不可能な人など あまりいないと思いますが、それにさえ応じないという事は〝最初から返す気がない〟という事になると思います。
それであればそれで〝返す気を起こさせてやる〟作業をするしかありません。