交渉同席・ボディガードについて

「正義マン・マナー警察」

現在問題になっている「正義マン」(マナー警察)とは
「自分自身の思う正義、倫理」に反すると思った人に圧力を掛け、暴走してしまう人を揶揄した言葉です。


このコロナ禍に乗じて増殖しているようですが、営業している飲食店の器物を損壊したり、観光地に遊びに来ている他府県ナンバーの車にキズをつけたりと
「〝正義〟を大きく勘違いしている人たち」
という事になると思います。


まあ要するに よっぽど〝暇〟なのか〝やっかみ〟の類いだと思いますが、〝マナー違反〟をしている人に対して〝犯罪〟をもって報復を加えたら それこそ本末転倒になります。


もちろん、罪に問われるのも 民事的責任を負うのも「法を犯した方」となりますが、単なるマナー違反者に罰を与える権限は 警察官にもありません。

⁡(実際に罰を与えるのは裁判官ですが)

 


先日
「近所のラーメン屋に入ったら 店主がマスクを顎までズラしていたので、注文後のラーメンをキャンセルして返金と謝罪を求めた。
返金はされたが謝罪に応じなかったので
〝マスクをズラしている画像と共に SNSで実名投稿する〟
と捨て台詞を吐いて店を出たら、自転車の前に立ち塞がって〝名前を教えてくれ〟と言われた。」
というご相談をいただきました。


正直「どっちもどっち」ではありますが、どちらが悪いかと言われれば、最初に犯罪行為(脅迫罪、強要罪、名誉毀損罪)を仄めかした ご相談者様側だと思います。


「店主がマスクをズラしていた事」は単なるマナー違反です(時節柄〝単なる〟とは言い難いですが)
「その事を謝らなかった」事に関しては、本人の自由でもあるわけであり、他人がそれを強要する事はできません。
(もう既に作っているラーメンの代金を返金したという事実だけで 謝意は伝わります)
「写真と共にSNSに投稿する」と言う事は脅迫罪に問われる可能性。
「それを元に謝罪を求める事」事は強要罪に問われる可能性。
更に 実際にそれを投稿すれば「名誉毀損罪」に問われる可能性が出てきます。


それをお伝えすると やたらと不安がっておられ
「私はどうしたらいいでしょうか?」と仰るので
「そのラーメン屋に行って一言謝ってあげれば、恐らく 相手も気持ちよく謝ってくれると思いますよ。」
と お伝えして差し上げました。



また 数日前に大阪のUSJに行ったのですが、USJというのは写真撮影が可能なアトラクションと不可能なアトラクションがあるようでした。
(各アトラクションには その旨のアナウンスは見当たらないように思いました)

すると あるアトラクションの 二つ前の〝乗り物〟の同乗者同士が大声で揉めているようでした。


アトラクションから降りてから何となく聞いてみると、片方の人が
「写真撮影不可能なアトラクションなのに コイツが写真を撮っていた!」
と喚き散らしており、写真を撮っていた方の人は「そんな事知らなかった」と言っています。


キチンとしたアナウンスがない(?)以上、本人が「知らなかった」と言っている限りは「じゃ 次からは気を付けて」で終わる話であり、それ以上の追求をする事自体 あまり意味のない事だと思います。


しかし その〝正義マン〟は 尋常ならざる怒り狂りようで、小さいお子さんなどもいる中で あたり構わず大声で「お前殺すぞ!」とまで言っていました。
これでは どちらが〝マナー違反〟なのか分かりません。

写真を撮った方の人は 一言二言注意をされてリリースされていましたが、〝正義マン〟はセキュリティの人にどこかへ連れて行かれたので、恐らく退場させられた(今後は出入り禁止?)ものと思います。


バッチリ〝ミニオン〟のコスプレをした 一人で来ているオジサンでしたが、「熱烈USJファン」のようでしたので その気持ちは充分分かります。


しかし 正直言えば「なるほどね」と思わざるを得なく、やはり〝そっち系〟の人に「正義マン」は多いのかもしれません。



マナーは守るべきものである事は間違いありませんが、〝マナー違反〟に対して〝違法行為〟を働く事に 一切の正当性はありません。
その辺を履き違えないよう 充分お気を付け下さい。


〝正義マン〟は SNS等を駆使する傾向が強いのですが、〝敷地〟から出ている部分の〝木〟を 勝手に切ってしまうような種類の人も少なくありません。

このような「勘違いをした正義マン」は〝非常に思い込みが激しい〟や〝とても攻撃性が強い〟という特徴があります。

このような人との対人トラブル(個人間トラブル)は かなり増えてきておりますので、受け身の側に回る可能性のある人も 充分お気をつけ下さい。

 

 

 

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