ストーカーについて

新橋ストーカー殺人事件(耳かき店員殺害事件) 

概要

2009年(平成21年)8月3日午前8時50分頃、東京都港区西新橋1丁目、鈴木芳江さん(78)方近隣の住民から「包丁を持った男と女性が喧嘩をしている」との110番通報が有り、警察官が駆けつけたところ同宅にて鈴木さんと孫娘の耳かき専門店の女性従業員江尻美保さん(21歳)とその祖母(当時78歳)が血だらけで倒れいるところを発見されて病院に搬送された。
2人は顔や首などを刃物で刺され、鈴木さんはまもなく病院で死亡が確認され、孫娘の江尻美保さんは1ヶ月後の9月7日に入院先の病院で亡くなられた。

事件発生当時に現場近くにいた林貢二(当時41歳)が現行犯逮捕された。

林貢二は、被害者の美穂さんが勤めていた「耳かき店」の常連客だったが交際していたわけではなく、単なる接客業従業者と常連客の関係であったものが一方的に恋愛感情を持ち、ストーカーとなって殺人事件を起こしたものとして話題となった。

経緯

被害者の江尻美保さんは東京都千代田区、秋葉原の耳かき専門店で働く、いわゆる耳かき嬢であった。
勤務していた店舗でナンバー1の人気嬢であり、多い時は1ヶ月に65万円の収入を得ていた。

一方、林貢二は2008年2月からこの耳かき専門店に通い始め、この美保さんを指名し続けて店に通う頻度が上がり、最終的に同店で少なくとも200万円以上 を費やした。
2009年4月5日、林貢二は美保さんに店外で会うことを要求したとして店を出入禁止となり、その後、美保さんにストーカー行為をするようになった。

事件前月の7月19日には美保さんが「客の男に付きまとわれている」として110番通報し、警察官が周囲を探したが不審者がいなかった。
この時、美保さんは「男がしつこく言い寄り、断ったら付きまとわれた」と警察官に説明するが、被害届は出さなかった。
この19日以降は美保さんから相談はなく、警察ではこれ以上の捜査はしていなかった。

美保さんが拒否を続けることで、林貢二の美保さんに対する愛情が憎悪に変わり、8月3日、林貢二は、果物ナイフ、包丁、ハンマーを準備して美保さんの自宅を訪れ、1階で、祖母の芳江さんに「美保さんに会わせろ」と言うが、芳江さんと口論になって刺した後、2階で就寝中の美保さんを刺した。

林貢二は逮捕後、警視庁愛宕署の調べに対し「事件の約2週間前、美保さんに直接会って関係の修復を求めたが拒否された」「交際を断られ、腹が立ったので殺そうと思った」などと供述。

8月24日、林貢二は殺人および殺人未遂の疑いで東京地検によって起訴された。
その後、女性従業員が死亡したことにより、起訴内容は2人の殺人容疑に変更された。

判決

この事件は裁判員裁判の対象であり、裁判員裁判として初めて死刑が求刑された裁判である。

平成22年11月1日、東京地方裁判所で林被告に無期懲役が言い渡された。

ストーカーについての一覧に戻る
ページ先頭へ戻る