ストーカーについて
先日 弊社HPの問合せフォームの方から、北関東の女子高校生の方から取材の申し込みを受けました。
「〝DVを減らすためにはどうすればいいか〟というテーマで研究活動を行なっています。」
という事でしたので、お答えさせていただく事に致しました。
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この度は ご相談ありがとうございました。
過去何度か テレビ局や出版社からのお話はありましたが、高校生の方からの〝取材申込み〟という事で、正直 少々驚いている部分もあります。
高校三年生で「DV被害経験がある」という事は、彼氏さんからの〝デートDV〟であったのであろうと思いますが、大変な思いをされましたね。
弊社では限られた人員で 非常に多くの案件を取り扱わせていただいておりますので、それなりのやり取りが必要になるであろう「取材」という形での対応は難しいですが、とりあえず私から ○○さんの仰っておられた
「DVを減らすためにはどうすればいいのか?」
について考察を述べさせていただきます。
「被害者だけでなく加害者にもメンタルケアを推奨し、DVの解決へと繋げていく事が大切とされており、私の活動と重なる部分がいくつもありました。」
とございましたが、もちろんの事メンタルケアが必要なのは DV被害者よりも むしろ加害者の方です。
DV加害者の意識改革なしには、到底 DV問題の根本的解決は望めません。
(あくまでも 関係の継続を望む場合は)
その際は「加害者の言い分」「何が不満で 何を求めているのか」なども聞き出し〝やめさせる事のできる類のDVなのか否か〟などを探る必要もあります。
その〝やめさせる事のできる類のDVなのか否か〟の判断基準は、ケースバイケースである面もあり、概ね 経験や勘などに委ねられますので、今この場で〝これ〟というものを提示するのは難しくなります。
基本的に DV加害者というものは、結婚(交際)相手が変わっても 繰り返しDVを行いがちですので〝病気〟のようにも思われがちです。
しかし中には、相手が変わった途端にDVを行わなくなる人がいるのも事実であり、その辺に〝ヒント〟があると思い、過去に DV加害者に直接話を聞くなどの方法で色々と調べてみました。
正直 DVを行うような人(行いそうな人)と結婚(交際)をする人というのは、どうしてもある程度限られてきます(通常は そのような危険性のある人は選びません)
よって DV加害者は、前の交際相手と別れても また〝同じようなタイプの人〟と交際するケースが多くなり、またその相手にDVを行うという流れになりがちです。
しかし稀に、全く違うタイプの相手と交際をした場合、ピタリとDVを行わなくなるという事があります。
その場合は「その交際相手だったからDVを行った」という事にもなり得るわけです。
その逆で、交際相手が変わっても 繰り返しDV被害を受けているような方も何人も見てきました。
それもまた 交際する相手が〝同じようなタイプの人〟になりがちであるという面がありますが、そうなると被害者自身の問題も考えてみる必要があると思います。
このように 明らかに「相性」みないなものもあるのですが、明らかに「被害者の側にも問題がある」ケースも少なくありません。
正直申し上げて、多くの場合が
「その被害者とその加害者が一緒になった時点で、いつかは被害が発生する」
事は必然であるとも言えると思います。
一口に「DV被害」と言っても、様々なケースがあると思います。
最終的には「手を出した方が悪い」事は間違えがないのですが、それを踏まえた上で 極端な例としてお話します。
実際にあったお話です。
元々加害者の方は実直な人で、被害者の方がデタラメ(浮気、家のお金をギャンブルに使い込むなど)であるようなケースがあります。
被害者側がデタラメ放題をやっていて 口頭で注意してもやめないような場合、多少手を挙げられたとしても、加害者側が100%悪いと言い切れるのか 私自身疑問に感じている部分もあります。
よって 一方的に加害者が悪いケースを除いては
「ご自分の言動もよく見つめ直して、正すところは正す」
事も「DVを減らす」事に繋がると思います。
※ この「デタラメ放題」と関連して、一番難しい問題が「DV被害者が精神を患っている」パターンです。
実際に 多くの精神疾患をお持ちの方がDV被害を受けていますが、これは正直非常に難しく とてもシビアな問題です。
「精神疾患とDV」に関しては、こちらをご参考にされて下さい。
もし、一方的に加害者が悪い場合は「法的に有効な証拠」を取得しつつ
⚫︎夫婦でしっかりと話し合う
⚫︎効果的な第三者を入れて話し合う
⚫︎効果を望めるところで カウンセリングを受けさせる
などとなると思います。
それでもDVをやめてくれない場合は、実質的に
▪️相手の逮捕(刑事的責任の追求)
▪️慰謝料の請求(民事的責任の追求)
▪️離婚(別居、別離)
などを考えざるを得なくなります。
受けているDV行為の〝程度〟によっては その全てを求める事も可能ですが、その程度によっては その全てを求める事ができない場合もあります。
因みに 別居・別離(婚姻前の男女)に関しては、理由のいかんを問わず〝片方の意思のみ〟で実行可能です。
それを強引に阻止する権利は どこの誰にもありません。
※ 婚姻前の男女間における いわゆる〝デートDV〟の場合「DVがあった時点で 即別れればいいじゃないか?」と思われる方が多いと思いますが、別れられない方の多くが 相手から「脅されて」いたり「共依存」の関係にあったりするものです。
「共依存」に関しては こちらをご参考にされて下さい。
夫婦喧嘩、彼氏と彼女の喧嘩の類いは、大なり小なり誰にでも経験があると思います。
いよいよ喧嘩がコジれた時、または いよいよ怒りが頂点に達した時、我慢ができずに「手を挙げてしまう」事が いわゆるDVとなると思います。
そのブレーキが効かない人、そのブレーキを効かす気のない人が DV加害者となるわけです。
よって 結婚前(交際前)にまずは「そこの見極め」が必要になるという事になり、そこの見極めさえしっかりできれば「DVを減らす」事に直結すると思います。
「DV防止法」が施行され、その後法改正も繰り返し行われており、随分と法整備は整ってきたと思います。
この法律はアメリカから倣ったものですが、比較的派手にやるアメリカとは違い 日本のDVは陰湿なものとなりますので、法的に対処するにはもう そろそろ限界であるという側面もあると思います。
この度のお話の趣旨は「DV被害を受けたらどうすればいいのか?」ではなく「DVを減らすためにはどうすればいいか?」という事でしたので、結論として
① 最初から そのような素地のある人とは一緒にならない。
② そのような兆候が見られたら、まずは自分自身を見つめ直し 改善するべきところは改善する。
③ それでも危険を回避できないようであれば、大きな被害になる前にその相手の元を離れる。
実質的に、これらの事が「DVを減らす」一番の近道なのではないかと思います。
それ以外に考えられる事としては、行政側の課題とはなりますが
「DV防止法の適用範囲を広げ、罰則を重くする」
「DV加害者をケアするシステムの拡充(有効性のあるカウンセリングシステムの構築など)」
となると思います。
この世の中から戦争がなくならない事、喧嘩がなくならない事と同様に、DVも決してなくなる事はありません。
しかし 国を挙げて真剣に「システム作り」に取り組めば、大幅に減らす事は充分可能だと思います。
私からお伝えできる事は以上となります。
大した事はお伝えできませんでしたが、少しでもご参考になれば幸いに思います。
実は 私の息子も高校三年生です。
若干17、8歳であるにも関わらず、このような難しい社会問題に取り組む姿勢はとても素晴らしいと思います。
陰ながら応援させていただきますので、是非 頑張って続けて下さい。
SDIトータルサポート 代表 岩田 一彦
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