カウンセリング
弊社で頂戴する〝金銭トラブル〟の中で 意外と多いのが、お金を貸した相手に対して
「100%お金を返して(支払って)くれますかね?」
というご相談なのですが、私はその人本人ではありませんし ましてやその人の事を全く知らないので、100%返して(支払って)くれるかどうか分かるはずもありません。
(どこの弁護士に聞いても同じ事を言われると思います)
そもそもが その人に〝差押えのできる財産〟(辞める事のできない会社の給与所得)があるか、または本人に〝負の遺産より正の遺産が多い〟人でない限り、この世に
「貸したお金を100%返してくれる人」
など存在しません。
しかも これらの事も〝調査〟をして初めて分かる事がほとんどなので、そういう意味でも 100%返済をする人などいないという事になると思います。
何よりも 完済までその人が生きている保証はないのですが、本人が亡くなった場合は遺族が
「負の遺産(借金)と正の遺産(残した財産)」
のバランスを考えて、相続するかどうかを決める事になります。
通常 正の遺産の方が多い場合は、遺族が相続する事になると思いますので、その場合は 遺産を相続した遺族に借金の返済をする義務が生じます。
しかし通常は 財産のある人、または 正の遺産をより多く残すような人が、無闇矢鱈に〝個人にお金を借りて返さない〟というような事はしないと思いますので(中にはそのような人もいますが)そうなると 給与の差押えができるかどうかが問題になってきます。
差押えできるもの(給与所得)もなく〝弱み〟や〝不都合〟などもない デタラメな人にお金を貸し、完全に開き直られた場合は、もはや裁判にする事にさえ意味はなく 諦めるしかなくなります。
よって 貸したお金を返してもらえない時は、まず「勤務先調査」と「資産調査」(財産調査)をする必要があると思います。
現実問題として もうそこに賭けるしかないような状況に陥っている事も少なくないのですが、多くの方が怠る その作業をしないのであれば、そのまんま〝泣き寝入り〟をするしかないという事になります。
そうなると、次に質問をされるのが
「100%でなければ、それではどのくらいの確率があるのか?」
という事になります。
【その人の人間性】【勤務先の質】【弱みの有無】(〝不都合〟の有無)
などによって大きく変わってくると思いますが、いづれにせよ チャッチャッとお話を伺っただけでは判断できません。
「これは楽勝だな」と思っていた案件に意外と苦労をする事もありますし「これは相当難しいだろうな」と思っていた案件がスンナリ解決する事もあるので、こればかりは〝やってみなければ分からない〟という事になります。
やるべき事をやってみるか 何もやらずに諦めるか、または どこまでやるのかは、貸している金額などにもよると思いますが、最終的には債権者であるご自身の考え次第です。
因みに私は、過去に20年以上 とある金融会社の債権回収部門で〝回収難易度の高い人たち〟を専門に対処しておりましたが、常識として最低でも まず住所 氏名 勤務先を聞き、身分証で確認をするものです。
私個人であればその上で 勤務先に在籍確認をし、実際に住んでいる家を見た上で(住んでいる家を見る事によって色々な事が分かります)必要であれば その勤務先にも出向いてその会社自体を確認し、更に 家の権利関係も調べてから貸すかどうかの判断をします。
(関係性や金額にもよります)
「氏名も住所も不確かで〝LINE ID〟しか知らず、携帯電話番号すらも知らない」
などというのは全くの論外ですので、諦めて下さい。