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「過失割合」

投稿日:2018年02月22日

「過失」とは「不注意で起こしてしまった過ち」の事で、交通事故で使われる「過失割合」とは事故の原因や責任の割合のことを指します。
事故が起きると加害者と被害者に分けられますが、加害者が100%悪いケース、被害者にも多少の過失があるケース、両者五分五分のケースもあります。
そこで問題を解決するために、事故の原因や責任を「過失割合」という数字の割合にする手続きがとられ、この過失割合の大小により損害賠償金が大きく変わってくるのです。

 

過失割合を決めるのは警察ではありません。
交通事故直後に警察が現場で実況見分を行い、供述調書を作成し、交通事故証明書の内容を決定づけるので警察が決めるのかと考えがちですが、通常「過失割合」は過去の判例などを元に当事者の保険会社が協議して決定するのが一般的です。
警察には民事上の「民事不介入の原則」のルールがあるため、そこに介入することはできません。
保険会社は警察の実況見分調書の確認、加害者からの事故状況のヒアリング、判例、自社の算定基準などをもとに過失割合を算出して被害者に対して提示します。
しかし保険会社が参考にしているのは過去に起きた交通事故の判例であり、それは裁判所が過去に判定した過失割合ですから一見すると適正な資料とも言えます。
しかし実質過去の判例と全く同じ事故などなく、「よく似た判例」を探して出して当てはめているだけであり、かつその判例で決定された過失割合にもバラつきがあったりします。
よって、保険会社から提示される過失割合は「保険会社にとって都合が良いもの」だと考えていいでしょう。

 

保険会社との示談交渉では、損害賠償額を左右する重要な交渉のタイミ ングとポイントがいくつかあります。
「過失割合」「症状固定」「通院打ち切り」「後遺障害認定」などがそのポイントになります。
このタイミングになると、保険会社は慰謝料・賠償額を少なくするために、被害者に対して強引な交渉をしかけてくることが一般的です。
特に「過失割合」は、事故の責任がどちらにあるかを決める重要な部分ですので、保険会社の主張が少しでもおかしいと感じたら妥協すべきではありません。
非を認める事はすなわち損害賠償額が少なくなる事ですので、ご自身の主張をしっかり認めさせる必要があります。
保険会社から「過失割合」の提示を受けて、そこで疑問を持ったら弁護士に相談するのが得策なのですが、被害者の多くが「こんなものか」と交渉を諦めてしまっているのが現実です。

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