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「DVから逃れる術のない方々 / 離婚(別居)する決断の下せない方々 」 ⁡

投稿日:2021年06月20日

弊社が頂戴する「DV被害相談」(モラハラ相談)で最も多いのが、被害者の方自身が【離婚(別居)したくてもできない】状況であるものです。


その理由としては
⚫︎やはり 子供の事を考えると離婚できない。
⚫︎事情があり実家には帰れない。
⚫︎精神や身体に疾患があり働けない。
⚫︎その他様々な理由から自立・自活ができない。
などが多くなっております。


私自身の考えは、特に子供がいる場合 できる限り離婚はすべきではないと思いますが、ご自身の許容範囲を超えたDVがあるのであれば、最終的には相手と離婚する(別居する・離れる)しかありません。


しかし 離婚(別居)をするのにも、自立ができないのであればどうしようもなく、さすがに国もそこまでは面倒を見てくれません。


一時避難的にシェルターに入ったとしても、その後の自立・生計の維持ができないので、結局は元に戻ってしまうような方も少なくありません。



そもそもDV加害者というものは、自分は絶対に間違っていないと思い込んでいる(またはDVを正当化する)ものです。
その思いは頑ななまでに強いので、基本的にそのまま放っておいてDVをやめる事はありません。


何らかの〝荒治療〟が必要という事になりますが、その荒治療となり得るものが「別居」「逮捕」「慰謝料請求」となると思います。


可能性は低いかもしれませんが、別居をする事によって相手が我に返り、改心する可能性もあるでしょう。
または そのDVが「離婚事由」とはならないレベルのものであれば、相手が離婚を拒否した場合 とりあえず別居をするしかありません。


しかし 別居や離婚をする場合、まずは
「自力で 別居後(離婚後)の生活基盤を整える」=「自立する」
事が必須となります。


経済的に相手に100%委ねているうちは どうにもならないという事になりますが、逆に言えば 経済的に相手に100%委ねているからこそ「相手が〝俺が食わせてやってるんだ〟と勘違いをして調子に乗る」という側面もあります。


とどのつまりが
「行くアテもなく、蓄えもなく、収入を得る手段もない場合はどうする事もできない」
という事になってしまい、泣く泣く現状に甘んじる他ないような状況の方を 嫌というほど見てきました。


相手が逮捕されるレベルのDVであれば、それによって反省を促すという手もあるのですが、それではご自身の首を絞める(生活が困窮する)、または 恨まれる事にもなるため「それはできない」という方も多く、それに対しては対応する術はありません。


慰謝料を請求できるレベルのDVであれば、それを請求する事によって離婚後(別居後)の生活資金に充てる事はできると思いますが、得てして 酷いDVを働くような人からは「取れるものがない」(差押えできるものがない)ようなケースも少なくありません。



理由は何であれ、離婚(別居)をするからには その後は自立をしなければならないわけです。
離婚後お子さんがいれば「養育費」別居後は「婚姻費用」を請求できますが、それだけで生活できるはずもなく、相手がキチンと払い続けてくれるかどうかも分かりません。
よって
「離婚(別居)したい、でも自立はできない」
では どうにもなりません。


もっと言えば、どれだけ酷いDVがあろうとも
「離婚(別居)をして自立するのは無理。相手を逮捕させるのも無理。慰謝料を取るのも無理。」
という事であれば、実質的に対応策はありません。


更に言えば、DV相談の多くが 逮捕も慰謝料請求も望めないレベルのものである事も事実なので、その場合は
「離婚(別居)したくない、でもDVは我慢できない」
と言われても、どうにもならないのです。



それは相手の収入で暮らしていく方が経済的には楽だとは思いますが、選択ミスをした(そういう相手を選んだ)のはご自身の責任でもあります。


我慢をして現在の生活を取るのか、多少経済的に苦しくなろうとも 離婚をしてDVのない平穏な生活を取るのか、ご自身が腹を決めなければ 他人にはどうする事もできない事をよく理解して下さい。


離婚(別居)する腹を決めたのであれば、実行に移す前にまずは 粛々と「自立をするための基盤作り」を始める事が 何よりも大切になってきます。


離婚後の生活を少しでも楽にするためには、その間に いくつかのやるべき事があると思います。

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