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「〝妊娠・中絶〟に対しての慰謝料を 男性側に請求できるのか?」

投稿日:2020年03月24日

弊社がいただくご相談でよくあるのが
「彼氏との付き合いの中で妊娠をして、中絶するように説得され、その後捨てられるように別れられたので慰謝料を請求したい」
というものです。

 

お気持ちは充分理解できます。
しかし 皆さんよく勘違いされるのですが、基本的に「妊娠・中絶」に対しては慰謝料は請求できません。

 

交際相手との性交渉は双方の同意の上で行われるのが通常です。
よって、妊娠したことは双方の同意の上での行為によるものと解釈できます。

 

また 妊娠中絶する事についても、相手が妊娠中絶を要求したとしても それに応じて行ったとすれば、中絶も同意の上で行われたという事になります。

 

よって「中絶という行為自体」には、男性側に慰謝料を支払う義務はないのです。

 

 

それでも相手に慰謝料を請求できる場合もあります。

 

◾️レイプ(強姦)をされた場合
◾️避妊していると嘘をついて性交渉に臨んだ場合
◾️強要や暴力による中絶であった場合
◾️結婚を前提に交際して性交渉をしたのに、実際には妻がいるため中絶を求められた場合
◾️妊娠や中絶に対し 男性が相手に配慮すべき義務を怠った場合
などです。

 

特に最後の部分に関しては、2009年に
『子供を妊娠したにも関わらず、産むか中絶するのかの具体的な話し合いを避け 判断を女性側にゆだね、中絶せざるを得なくなった』
事に対する男性の義務違反を認定し、精神的苦痛に対する慰謝料の支払いを認める判決が出ました。

 

この判例によって、今後は「産むのか中絶するかを判断する事に対して非協力的な男性」に対しては、慰謝料請求がてきる道が開けました。

 

 

あと よく問題となるのが中絶費用です。
実は法律上は,男性側に中絶費用を支払う義務はありません。
しかし通例として 費用の半額を請求する事によって、それが認められる事が多いようです。
私個人的には 男性側が全額支払うべきだと思いますが、これが現実のようです。

 

 

要するに 中絶をした場合は
『女性の側にも避妊をさせる(避妊をする)必要性があり、その必要性を怠ったという事は、妊娠する可能性に対しても同意したとみなされる』
という事だと思います。

 

そう単純な話ではないという事は私にも分かりますし、なかなか嫌という相手に強引に「避妊をさせる」事が難しいのも分かります。

 

しかし
【 中絶に対する慰謝料の請求は基本的には難しく、よくても中絶費用の半分を請求できるくらいである 】
という事を、よく覚えておいて下さい。

 

どうしても不公平感は拭えませんが、結局のところ辛い思いをし 泣きを見るのは女性ですので、充分お気をつけ下さい。

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