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「自殺願望」検証

投稿日:2017年11月21日

座間の事件以来「自殺願望」が今なにかと話題になっています。
個人的にも思うところがあるので、チョット長くなります。

 

自殺という方法を選択してしまうのは、自分に迫る問題が解決不能に思え、未来に希望が見出せない状況だと感じ、絶望感が強まり生きること自体を苦行のように感じてしまった時で、耐え難い苦痛を終わらせる唯一の解決策として自殺という手段を考えてしまいがちなのだそうです。
わが国の2016年の自殺者数は2万1897人。2015年には、3万4427人を記録しました。
世界約90カ国を対象とした調査では、ワースト6位(女性は3位)の自殺率です。
健常者に「今まで本気で死にたいと思った事があるか」と問うと、約20%ほどの方は「ある」と回答するそうです。

 

自殺したい、または自殺する人の気持ちとして最も大きいのが、自分の価値を卑下しているというところです。
生きていても仕方ない、自分はダメ人間だ、何をやっても続かない上手くいかない、と異常に自分を卑下する傾向があります。
自分が生きる価値すらないと思った瞬間、全ての嫌な事から逃れたいという心理が働き、人は自殺したいと思うのだそうです。

 

「死にたい」という気持ちが生じてしまう症状は自殺願望以外にもいくつかあります。
具体的には「希死念慮」や「自殺企図」などがあります。
これらの症状を重篤度で分けると、低い順から、
1.希死念慮
2.自殺願望
3.自殺企図
となります。

 

「希死念慮」というのは「死んでしまいたいな」と漠然と考える事です。
希死念慮の「死にたい」は「この世から消えてしまいたい」というニュアンスが強く、自分で自分の命を絶つ(=自殺)などの方法を具体的に考えているわけでなく「消えてしまえたらどんなに楽だろうか」という感情が浮かんでくるような状態です。
「自殺願望(自殺念慮)」は更に「死にたい」という気持ちが強くなる事で生じます。
自殺願望は希死念慮の「消えてしまいたい」「死んでしまいたい」が、「自分の手で自分の命を絶つ事を考える」と更に具体性の高い方法を考えている点が特徴です。
更に進行すると「自殺企図」に至る事があります。
自殺企図は「〇〇という方法で自殺しよう」と更に具体性を持って死ぬ方法について考えます。
自殺企図まで進むと、実際に自殺行動に至ってしまうリスクは低くはなく、極めて慎重な対応が必要になります。

 

「死にたい」という訴えは当人からの「助けてほしい」という無意識の訴えでもあります。
恐らくまだ、自殺企図の手前の段階です。
現実的にすぐに助けられるような事ではなかったとしても、その辛い気持ちを受け入れ、力になってあげたいという気持ちを精一杯伝える事は「死にたい」と絶望的になっている方にとって希望や生きるエネルギーを与えてくれます。
自殺願望がある方は将来について絶望していたり、耐えがたい孤独感の中で苦しんでいる事が少なくありません。
自殺願望について問う事で、周囲の人はその思いを受け入れ、支援していく事ができるようになります。
そうする事によって「自分は一人ではない」という安心感や希望を少しでも分けてあげる事ができるのです。

 

私も仲間を何人か自殺で失い、非常に悔しい思いをしました。

 

そもそも自殺を考えるに至ったまでの根本的な問題について考えてあげることが一番大切です。

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